高感度トロポニンTの数値で心筋梗塞を疑う一つの基準について

500 pg/ml以上は、心筋梗塞の可能性が高いと考える。


非常に簡単に上記でまとめてしまいましたが、それで良いと思います。

急性心不全では、必ず原因としてACSが関与しているかどうかを判断する事が重要です。


その経過で、心電図、胸部レントゲン、血液検査、心エコー・・・と行なっていくと思いますが、胸痛がなく、心電図はST変化はないですが、局所的に壁運動低下、そして高感度トロポニンTが微妙に高い・・・。こんな状況は迷います。

高感度トロポニンTでのACSアルゴリズム


高感度トロポニンTはACSの診断で重要な項目ですが、特にその感度が高いため、心不全や心房細動でも上昇します。ESCガイドラインでは、 0h/1h rule in – rule out アルゴリズムが示されています。

この経過で考えると、来院時高感度トロポニンT 52 pg/ml 以上来院時と1時間後で 6 pg/ml 以上変化していればNSTEMIと判断することになります。


しかし、NSTEMIであれば、急性心不全を合併している場合は2時間以内のCAG(urgent invasive therapy)が推奨されているので、 心不全で高感度トロポニンTが少しでも上がっていれば緊急CAGということになってしまいます。

50 pg/ml(=0.05 μg/ml)程度であれば、心不全や心房細動でも認めるレベルの上昇です。

高感度トロポニンTで心筋梗塞を疑う目安


そこで、もう少し目安としてのトロポニンTの基準はないか、ということで、2012年のEuropian Heart Journal では下記の表とともに推奨を記載しています。

  • 500 ~ 1000 pg/ml(0.5 ~ 1 μg/ml)であればMIの可能性が高い
  • 1000 pg/ml(1μg/ml)以上であれば、MIの可能性は非常に高い

と結論づけています。


急性心筋梗塞以外にはたこつぼ心筋症、肥大型心筋症、心不全、不整脈、心筋炎で上昇します。 数値だけで完全に除外してしまうことは危険ですが、一つの目安にはなりそうです。

参考

hospitalist 心不全 Eur Heart J. 2012 Mar;33(5):579-86

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