心臓と血管で分けて考える心不全の病態と治療

Vascular type と Cardiac typeに分けると、治療法もわかりやすい。


心不全の分類は様々ですが、Vascular typeとCardiac typeに分けて考える方法は、病態生理的にはわかりやすいです。

Vasucular typeとは心不全の原因が主に血管に起因する病態 Cardiac typeとは、心不全の原因が主に心臓に起因する病態 です。

Vasucular type


水分再配分型の心不全と同じ意味で、血管収縮による後負荷・前負荷の増大が原因です。

突然に発症する強い呼吸困難を訴える心不全であり、血圧は 180/100 などと高値であることが多いです。クリニカルシナリオという分類でCS1の病態と同様です。

運動や精神的なストレスによって、人は交感神経系が賦活化します。

交感神経系の賦活化によって、血管は収縮し、後負荷が高まります。

交感神経は静脈の収縮も行いますので、静脈灌流量は増大します。


因みに、人の血液の80 ~ 90%は静脈系にプールされています。

そのため、この血液が循環系に移行するので、多くの血液が右心房に戻ることになり、これがかなりの前負荷増大に繋がってしまうのです。 この一連の流れのことを、「Central shift(セントラル シフト)」と言います。


そのため、このタイプの心不全は血管拡張薬を使うことがメインになり、体液量の増大に伴って利尿薬を検討します。

Cardiac type


水分貯留型の心不全と同じ意味で、水分貯留による前負荷の増大がメインです。

多くはもともと心不全が背景にあり、徐々に生じる体液貯留が原因です。

心拍出量の低下がトリガーとなり、腎血流の低下が生じ、静脈灌流量増大によって生じる腎うっ血で更に体内に水分・ナトリウムが貯留し、 その圧・用量負荷によりRAA系・交感神経系が賦活化されうるようになり、ますます前負荷が増大するようになり、収縮能がその前負荷を代償して拍出できなくなり、うっ血をきたす病態です。

クリニカルシナリオ分類でCS2の病態と同様です。この病態ではもともとの液体貯留傾向があるため、LVEDPは上昇していても肺間質におけるリンパ管ドレナージが亢進しており、肺うっ血が乏しいことがあります。

一方で、右心系の圧上昇に伴って胸水は貯留することがあります。

肺毛細血管圧の上昇や、胸膜腔のリンパドレナージの低下によります。
メインの治療は、前負荷を減らすことであり、除水、特にループ利尿薬になります。

このように、心不全の病態をVascularかCardiacかによって2つに分けて考えることもできます。病態生理としてはわかりやすいです。

参考

hospitalist 心不全

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